大規模な修繕の前に検討する「屋上防水・改修」のことがわかる本
屋上・陸屋根 | ||||||
2200円 | ||||||
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本書では、建物を存続させるために必要な大規模な修繕への対策と、経年劣化により衰えてしまう防水性能を回復するための屋上防水について詳しく解説。 大規模な修繕に伴う計画から、建物寿命に直結する防水修繕を行う際の適正な手順まで、きちんと現場を調査して正しい工法や材料としているかをチェックできる。最低限の知識を身につけていただける。 |
工事内容詳細
マンションの老朽化は、個人の建物所有者や、区分所有建物の管理組合にとって深刻な問題です。
この本では、建物を存続させるために必要な、大規模な修繕への対策と、経年劣化により衰えてしまう防水性能を回復するための、屋上防水について詳しく解説していきます。
鉄筋コンクリート構造の建物は、定期的な外壁改修と防水改修が欠かせません。
けれども当事者である所有者の皆様にとっては、その具体的な対策を知る方法が限られています。
つまり、改修にはとても大きな費用がかかるのに、その手段や方法について得られる情報が少ないことが、大規模な修繕計画における最大の問題点なのです。
近年の物価高の影響により、資金不足で積立金の増額を検討せざるを得ない管理組合や、修繕工事の先延ばしを検討する建物所有者も多くなっているなど、築年数を追うごとに、維持管理の設定に疑問点が増え出している現状があります。
木造在来工法である日本家屋の傾斜屋根に対し、マンションの屋上の多くは、西洋建築として日本で採用されてきた陸屋根です。従来の急傾斜で雨水を下方へ流す形状から、緩やかな傾斜で雨水を排水口へと集水して、排水する仕組みとなっています。
平滑で歩行もできる形状で、とても合理的な建築様式であり、メリットが多い反面、デメリットもあります。
それは、一部分の防水性能が失われることで、屋上全体の水量が、雨漏りリスクの対象となってしまう構造だからです。
建物全体の防水性能が99%維持されていても、たった1%の防水性能の損失が、建物に雨漏りを起こす原因となり、防水性能が失われた屋根となってしまうのです。
さらに、建築知識としてのそのリスクを、建物所有者が正しく情報として得ていないことが、建物にとってとても大きなダメージを与えるいずれは失われる防水性能に対しての、備えができていない原因の一つです。
陸屋根を有する建物構造は現在、鉄筋コンクリート造、鉄骨造、軽量鉄骨造、木造と様々な構造種類の建物に、とても一般的な工法で多く採用されています。
その建物を長期的に維持するには、在来の日本家屋同様に、陸屋根もメンテンナンスが必要ですが、防水改修の工法や材料も様々とあって、一般の方からするとわからないことだらけでしょう。
防水改修を行う工事会社でさえも、基準に沿って調査し工法や材料を判断しても、不具合が発生して困っている建物もあり、大きな問題と言えます。
また、依頼する工事会社が適正か不適正か、一般の方々が判断するのはとても難しい点があります。
本書では、大規な模修繕に伴う計画から、建物寿命に直結する防水改修を行う際の適正な手順まで、きちんと現場を調査して正しい工法や材料としているかをチェックできる、最低限の知識を身に付けて頂けるよう構成されています。
個人の建物所有者や管理組合と、設計者と、工事会社の関係性を明確に、また建物構造と防水層のしくみをやさしく解説しながら、大規模な修繕に関わる皆様にとって、防水改修がより身近に感じられものになって頂ければ幸いです。
計画だけではない大規模な修繕をする際の問題点とは
マンションを含む鉄筋コンクリート建物の建物寿命は何年か。標準で65年と言われているが、無条件で維持されることはない。建築された年代により基準強度が異なり、修繕を行う際の対処や時期が違う。建物は、構造体・仕上材・設備類など3つの部位で寿命が違うので、特徴を理解して大規模な修繕の計画・準備・進行をすることが大切。
防水性能の低下が建物寿命を奪う最大の原因とは
強固なマンションでも経年劣化による性能低下は避けられず、建物の永久的な防水性能は無い。マンションの構造劣化の原因は、防水性能の低下による屋上や外壁からの雨水侵入で、内部の鉄筋や鉄骨が錆びることで更に劣化が進行する。具体的な工法・材料や仕様まで解説し、大規模な修繕の防水改修が正しいかチェックできる。